[戻る]

野外調査日記

  9/8〜9/14の記録  

● 9月8日 (曇り、時々雨)

 K子さんの体調は回復に向かいつつあるようです。毎晩共に摂取したエチールアルコールの効果であると考えられます(投稿準備中:The effect of EtOH on human body)。あぁ、そういえばここ数日論文書いてないな。仕事も完全にルーチン化しているし、だんだん脳が溶けてしまいそうです。
 

● 9月9日 (晴れ、時々曇り)

 殆ど変化のない毎日で、だんだんと書くことが無くなってきました。変化のあることといえば食事のメニューくらいなので、今日の日記からそれを書き加えていきたいと思います。食事は、山の中での数少ない楽しみであるほか、体調を崩してデータに穴を開けないために重要であるため、比較的きちんと作っています。そもそも、この前線基地の周囲(車で片道30分程度)に幾つかある飲食店は、大体が観光客相手の高くて不味い店なので、外食中心の食生活は成り立たないのです。僕は以前、ここから車で20分ほどの集落にある「純手打ちうどん」と看板の出ている小綺麗なうどん屋で、箸でつかむと半分ちぎれ、息を吹きかけるとそのまた半分がちぎれるという「純手打ちうどん」を出されたことがあります。

朝:ご飯・納豆・豆腐とワカメの味噌汁、昼:蒸しナスのサンドイッチ、夜(K子さんの当番):カレーうどん・キューリと豚肉の豆板醤炒め。

〜 1999年9月9日9時9分 九重町にて 〜


 

● 9月10日 (曇り、のち雨)

 今日は雨が降ったので、送粉昆虫の観察は無し。おかげで早めに終業できました。中学校時代の同級生の新堀君から、ホームページを見ているとの旨のメールをもらいました。今年始めにホームページを開設してから様々な反響があり、私も張り合いがあるというものです。現地でのメールの送受信に際しては、借家に電話が来ていないので、車で15分程度の距離にあるISDN公衆電話まで携帯端末(CASIO, CASSIOPEIA A-60)を繋ぎに行く必要があります。このCASSIOPEIAは、半年ほど前に懸賞で当たってから使い道が無くて放置していた物なのですが、今になって大活躍をしています。

朝:ご飯・納豆・卵・大根とネギの味噌汁、昼:蒸しナスのサンドイッチ、夜(サトウの当番):大根と牛肉の韓国風炒め煮・豆腐とトマトとオリーブの実のサラダ。

〜 公衆電話でメールチェック 〜


 

● 9月11日 (雨)

 一日雨の中での作業で、肉体的精神的にもとても疲れました。このような日の仕事終わりには、どうしてもアルコールがほしくなります。アルコールは適量を飲むのならば、疲労回復に効果的なのですが、今日はやや深酒をしてしまいました。午後6時半頃ビールを飲みながら夕食をはじめ、食器を片づけてから日本酒を飲み始め、日本酒が無くなったのでジンにとりかかり、ふと気が付くと12時になっていました。明日は福岡に戻るため、早起きをしなくてはなりません。したがって、今晩は疲労回復に十分な睡眠時間が取れそうも無いです。

朝:ご飯・納豆・卵・大根とネギの味噌汁、昼:卵とジャムのサンドイッチ、夜(K子さんの当番):クリームシチュー・トマトとタマネギのサラダ。
 

● 9月12日 (雨、のち曇り)

 早めに仕事を片づけ、昼過ぎに一度福岡に帰りました。午前中K子さんは二日酔いで辛そうでした。僕も高速道路の運転中、眠くてたまりませんでした。でもがんばって用事を済ませ、夜半大分に戻りました。

 福岡の家に、演劇集団66という贔屓の劇団から定期公演の案内が届いていました。この劇団は毎回ジャン・ジャンという劇場(渋谷公園通り山手教会の地下)で別役実の戯曲を上演しているのですが、ジャン・ジャンが近いうちに閉鎖される為、これがそこでの最後の公演となります。公演の期間は10/1〜10/6とのことで、残念ながら僕は調査の最中なので駆けつけることができません。かなり残念です。舞台は非常に好みが分かれると思われるので、万人にはお勧めしがたいのですが、関東近県にお住まいの方は是非観に行かれてください。古林逸朗演出による別役実の世界がジャン・ジャンの空間とよく合い、独特の雰囲気が醸し出されます。

朝:ご飯・昨晩の残りのクリームシチュー、昼:卵とジャムのサンドイッチ、夜:それぞれ福岡にて適当に済ましました。
 

● 9月13日 (濃霧、のち晴れ)

朝:梅干しのお茶漬け、昼:ハムとチーズとトマトのサンドイッチ、夜(サトウの当番):豆腐ハンバーグ・茹でキャベツのマスタード和え・茄子とミョウガの味噌汁。
 

● 9月14日 (曇り、のち濃霧、のち雨)

朝に仕事を始めた頃は高い位置にあった雲が、だんだん降りてきて、昼頃にはすっぽりと飲み込まれてしまいました。いわゆる「濃霧」という状態なのですが、この近辺における霧の濃さは半端ではなく、感覚的には雲の中という様相ですね。山歩きなどしていたら、遭難してしまいそうです。また我々にとっても、運転の際に速度を落とさなくてはならず移動に時間がかかってしまうので、なかなか迷惑です。ちなみに、ここの近所である大分自動車道の湯布院−別府間は、しばしば濃霧のため通行止めとなってしまいます。

朝:ご飯・納豆・昨晩の味噌汁、昼:ハムとチーズとトマトのサンドイッチ、夜(K子さんの当番):茄子と豚バラ肉の味噌炒め・カボチャの煮物・キャベツとミョウガの味噌汁。

〜 濃霧 (100m先に道路案内板があるのですが‥) 〜


 





  野外調査日記へ戻る