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フィールド日記 2002年秋


   10月13日〜10月17日の記録

● 10月13日 (曇り)

岳の湯温泉の集落

滞在先の実習所には、グリーンツーリズム(稲刈りなどの農業体験企画)に参加されたご家族連れの方々がいらっしゃっていて、彼らと夕食をご一緒することになった。 この実習所では他にもサマーキャンプや牧場体験など、一般の方々との交流企画を行っているとのこと。 院生も積極的にお手伝いしていて偉いものである。 この晩は、久しぶりに遅くまで起きて酒宴に参加させて頂きました。 料理は美味しかったのだけど、残念ながらアサヒの発泡酒は、メッコールに酵母をぶち込んで発酵させたような味で頂けませんでした。

朝食:納豆、昨日の味噌汁
昼食:パンとコーヒー
夕食:ハンバーグ、サラダ、大根葉の炒め物、塩茹でしたムカゴ
入浴:岳の湯温泉 桜尾山荘 蒸気源(入湯料:500円)

蒸気源と書いて「じょうきげん」と読みます。湯屋は、太い木材を梁に使った贅沢な建物。 打たせ湯、水風呂、湿式サウナあり。 同じ敷地の建物には、有料休憩室、物産品コーナー、そしてレストランが入っており、複合施設となっている。 泉質は、やや黄土色の入った透明色。

ここ岳の湯温泉は、実は僕がM1の時に調査の途中で迷い込んだことのある場所で、約8年ぶりの再訪。 古い民家が40件ほど身を寄せ合っている小集落で、その至る所(田の畦道や畑、民家の石垣まで)から蒸気が噴出していて、つげ義春の漫画そのものといった世界であり、「20世紀末の日本なのに熊本の奥地には凄い場所が残っているものだ」と感動したものです。 その間に、この温泉館が集落の真ん中にドーンと建ち、他県ナンバーの車が沢山来ていたりと、ずいぶん雰囲気が変わってしまった。 「ファームロードわいた」という立派な道路が開通して、当時に比べアクセスしやすくなったのが原因だと思う。 住民の方々には申し訳ないのだけど、この集落だけはいつまでも寂れていて欲しかった。

● 10月14日 (快晴)

昨晩の宴会:手品を披露する17才

今日は3連休最終日で、相変わらず車やバイクが多い。 平日と比べ10倍以上は走っているだろう。 失礼だけどバッタの大発生といった雰囲気だ。 高原の静かな雰囲気を味わいに来たのだろうけど、これじゃあストレスが溜まるだけだろう。 休日だからといって無理に遊びに来なくても良いのに、と思う。

朝食:納豆、海苔、味噌汁
昼食:ツナとモンゴル豆の炒飯
夕食:大根葉炒め、割干し大根の和え物、キャベツ芯の味噌漬け、サツマイモとモンゴル豆の味噌汁
入浴:小田温泉 万作の湯(入湯料500円)。

黒川温泉より車で10分ほど南にある民営温泉。水風呂有り。泉質は、やや褐色がかった透明色。食堂、家族風呂などが併設されています。これと言った特徴は無いし、黒川温泉と比べると湯屋の趣向などもイマイチ。強いて良い点を挙げるならば、比較的空いている事だけ。

● 10月15日 (曇り、時々雨)

ホタルの里温泉

夕食に鶏肉のビール煮込みを作ろうと思っていたのだけど、ここ2、3日の自炊スケジュールが狂ったこともあって肝心の鶏肉が悪くなっていた。 代わりに冷凍庫に大量にストックされている牛肉を使用したが、これはこれで美味しいものができた。 この肉は、実習所で育成したものを学生実習の時に解体したもので、一袋(300g位入っている)50円でお分け戴いている。 配合飼料ではなく草で育成させた牛なので、固くて臭いのきつい肉なのだけど、味も濃いので料理の仕方によっては重宝だ。 何しろ安いので、2日後に福岡に戻る際には数袋持ち帰ろうと思っている。

朝食:納豆、海苔、昨日の味噌汁
昼食:パンと牛乳
夕食:牛肉と椎茸とトマトのビール煮込み
入浴:山川温泉 ホタルの里温泉(入湯料:大人300円)

一昨日の岳の湯温泉から15分ほど麓へ下った小集落の外れに、ひっそり佇む公共温泉です。小一時間ほど入浴している間、誰も客が入って来ず、僕の貸し切りでした。今回の温泉巡りの中で一番の秘湯。洗い場のカランからは湯が殆ど出ず、またブレーカーが切られていたようで電灯・扇風機が使えなかったが、建物は新しく掃除も行き届いていた。お湯は、青みがかった透明色。浴槽の底には湯ノ花が雪のように積もっていて、浴槽に入ると、それが青い湯の中で降る雪のように舞い、なんともいえず美しかった。上で書いたような難点も有るのですが、お勧めの温泉です。

● 10月16日 (快晴)

温泉巡りの最後は、お気に入りの白丹温泉でしめようと思っていたのだけど、結局新しい場所を開拓した。 これで近場の温泉は、ほぼ制覇したはず。 今回のフィールド調査では、方々で入浴していたので、単純になりがちな生活に変化をつけることができた。 しかし、僕くらいの年齢で既に温泉巡りや畑仕事を満喫してしまうと、ジジイになった時に何して遊べば良いのだろう? 女遊びか? 千草忠夫の小説に出てくるような、極悪変態エロジジイになるのも悪くはないかもしれない。 自分で自分の将来が楽しみである。 夜、最後の晩ということで、高原実習所のG助教授にビールをご馳走になり、色々とお話をしました。 研究室を運営するというのも御苦労が多いようですね。 極悪変態エロジジイになるには金と権力が必要なのだけど、僕はしばらく出世せずに無責任な立場で研究したいと思います。

朝食:ザーサイの炒飯に大根おろしと海苔を混ぜたもの、牛乳
昼食:残り野菜を沢山入れたラーメン
夕食:昨日のおかず、冷や奴
入浴:パルクラブ 大地の湯(入湯料300円)

今年7月に営業を始めた新しい温泉館。木材を贅沢に使った浴室は、その色調が褐緑色に濁った湯とよくマッチしている。露天風呂、水(ぬる湯)風呂あり。また、同じ建物には物産品販売所が設けられている。平日の夕方4時半頃から5時過ぎまで入浴していた間、客は僕一人だけだった。昨日の温泉のように、地域の有志がお金を出し合って建てたような生活温泉ならばともかく、こんなんで商業施設がやっていけるのだろうか?十分お勧めできるレベルの温泉でもあり、潰れて欲しくないので、この機会にささやかながら宣伝をしておきます。久住高原から広域農道を使って七里田温泉方面へ向かい、道路沿いの看板が見えたら右折してすぐ、パルクラブ大地の湯をよろしく。

● 10月17日 (晴れ)

実習所の皆様と

今日で引き上げ。 8月後半から生活の拠点として利用させてもらった高原実習所を出て、調査地を巡った後、下道を使って福岡の帰宅しました。 あとは2週間後くらいに1回だけ種子稔性を調べ来れば、今年の作業は完了です。 当初予定していたデータ項目は全て取ることが出来たのだけど、得られた結果は期待に反していて、どうも論文にできるかどうか分からなくなってきた。 さんざん苦労して集めたデータであっても、論文に出来なければ全て無意味となってしまう。 でもデータを取らなければ、仕事は始まらない。 ま、そんなギャンブル性を排除することができないのが、研究なんですけどね。

朝食:ザーサイ、大根おろし、海苔、冷や奴
昼食:コンビニおにぎり
夕食:スーパーの弁当
入浴:自宅風呂




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