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授業 La lecon

劇団      :シアターZOO
作       :ウージェーヌ・イヨネスコ
舞台監督    :山地健仁
出演      :塚本明、重村真智子、中村小百合
上演会場・日時 :笹塚劇場(仮)(2003年10月18日)

この日は札幌出張の帰りでして、45Lバックパックと図面ケースを担いで立ち寄ってきました。 都心から離れたところに住んでいると、せっかく羽田に着くのに都内で何もせずに直帰するのが勿体なく感じられるのです。

さて、この舞台の紹介をパフレットから転載すると、

ルーマニア生まれの劇作家、アンチ・テアトル(反演劇)の旗手ウージェーヌ・イヨネスコの代表作。1951年にパリで初演され、その後'57年から今日にいたるまで、ユシェット座にてロングラン上演されている。わが国では、昭和の名優中村伸郎による舞台が有名だが、これは'72年から11年にわたり渋谷ジャンジャンにて毎週1ステージ連続上演された。登場人物は老教授と女生徒、女中の3人。これを塚本明と東京乾電池の若手新進女優が演じる。なお、本作品は作者により、「喜劇的惨劇」と銘打たれ、、。

とのことなのだけど、ハッキリ言って何が面白いのかまるで分からず、僅か1時間10分の上演時間が長〜く感じられた公演でした。 まあ、ここで表現されている主題を感じられる回路が、僕の脳みそから欠けているだけかもしれないけれど、たぶん翻案も悪いような気がいたします。 というのは、どんなに人間の中身そのものが時代や場所に対して普遍的なものであったとしても、芝居とか小説などの表現となると、その時と場所における文化的なバックグラウンドが無いと伝わらない事が多々あるものだからです。 だから、昔の脚本や海外の脚本を扱う演出家というのは、そのあたりを自分なりに咀嚼して、対象とする観客に理解できるように組み替える役割を負っているのだけど、この舞台の演出家はそれをサボっていたというのが僕の印象です。

演出はともかくとして、主役の塚本明は個性的かつ上手で、この人のアドリブで何とか舞台の体裁を保っている感じでした。 劇団スタッフについては、開演時間に遅れてきた客を構わず入場させていて、しかも客席から見て舞台側に劇場への入口があったので上演中の舞台の脇をチラチラ人が行き来しており、この点は不愉快に感じました。 本当に舞台を愛している劇団ならば、時間にルーズな連中など情け容赦なく追い返したり、それから公演中に着メロを鳴らした観客をあとで半殺しにするくらいの気概を持って欲しいものです。 まあ、この程度の舞台で、あんまりプライド持たれても困るのだけど。

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