「快適なマシン環境を構築する上で、最も重要な部品はディスプレイである」という私の意見には、多くの方が同意して下さることと信じます。ディスプレイは、マシン本体と比べて寿命がかなり長いですし、CRT方式のものについては、今後とも急に値が下がることはまず無いはずですので、思い切って良いものを選びましょう。
ナナオブランドのFlexScanは、「画面の明るさ」と「コントラストの強さ」という相反する特性を極力実現している点や、その滲みの少ない表示など、CRTディスプレイの頂点に位置します。おそらく、高周波回路の設計精度が高いのでしょうが、さすがMade in Japan!といった感じです。また、1024×768画素の表示で垂直同期信号が85Mhzまで入り(※1)、高解像度でもちらつきの少ない表示が可能となっています。一般に72Mhz以上がフリッカーフリー表示の基準とされますが、その程度では長時間の作業となると、やはり目が疲れてきます。
ところで、パソコン本体とディスプレイとを接続するケーブルも、実はかなり重要です。質の悪いケーブルは、様々なノイズを拾ったり、信号の波形を崩すことで、表示のレベルを確実に低下させてしまうのです。ひどい場合には、ゴーストが出ることもあるらしく、こうなってくると本当に仕事になりません。良いディスプレイには、良いケーブルを使いましょう。
※1 [補注 2000 Sep, 01] 最近のモニターは、大部分が対応しているようです。新製品を選ぶのであれば、特にこの点に注意する必要はないとおもいます。
[補注 2000 Nov, 10] 先日、買ってから丁度4年目で壊れてしまいました。CRTの寿命としてはやや短い気もしますが、毎日1024×768ドット85Hzで長時間使用していたわけですから、そんなものかもしれません。とりあえず原価償却はできたと思っています。
決して安いものではないので、「週末に少し」というようなパソコンの使い方をしている方は、購入に際して本当に必要であるかを見極める必要があるでしょう。しかし、連日長時間の作業をこなす方や、表計算のような白い背景に黒い文字という環境で作業をされている方には、特にお勧めいたします。
なお、フィルターですので、どうしても表示の色あいが多少変わってしまいます。デザインなどの目的でパソコンを使用する方は、高透過タイプのフィルターを選ぶ必要があるでしょう。また、黒い背景に白又は緑の文字という環境で作業をされている方や、自宅等で多目的な使用をされている方にも、高透過タイプがお勧めです。HIKARIの標準タイプフィルターですと、これらの環境では暗くなりすぎて、かえって疲れることもあるかもしれません。
フィルターの種類によっては(値段の高い種類では)、人体に有害な紫外線、有害な可能性のある電磁波の照射を抑え、目や体の健康を守る機能もあります。もっとも電磁波については、ディスプレイの表示部からよりも、裏や横から回り込んでくる磁束の方が強いので、徹底的にこだわるのであれば、OAエプロンなどを着用すると良いでしょう。まあ、僕もそこまでは、やってませんが。
マウスもいろいろ試しましたが、やはりLogitech社の製品が一番でしょう。このMouseMan Wheelは、その独特の形状と左右に張られた滑り止めゴムがまず目を引きますが、その使いやすさの秘密は、もっと地味な部分にも隠されています。私がこの製品で最も感心したことは、軽いタッチで、しかも確実なクリックができる点でした。「細かいことだ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、Windowsのマウス操作はMacのそれと違い、右手人差し指を酷使します。プアなマウスでの長時間の作業は不快なだけでなく、腕の腱を痛めかねないのです。
また、ホイールの押し下げスイッチの堅さは、その操作性に大きく影響します。つまり、堅すぎると、押し下げるつもりでホイールを回してしまい、柔らかすぎると、ホイールを回すつもりで押し下げてしまうといったミスが頻発するのです。MouseMan Wheelは、この点でも抜かりありません。私は以前、Microsoft純正のInteriMouseを使ったことがあるのですが、これはホイールのスイッチが柔らかすぎて、ホイールを回すときには常に押し下げない注意が必要という、困った製品でした(InteriMouseユーザーの方は、押し下げスイッチへの結線を、物理的に切ってしまわれることをお勧めいたします)。
但し、Logitech社は基本的にアメリカの会社なので(Logicoolという日本法人もあるのですが、製品を設計しているわけではない)、マウスの大きさも標準的なアメリカ人の手のひらに合わせてあります。したがって、標準的な日本人女性の手のひらには、少々大きすぎるかもしれません。この点については、店頭でよく確認してから、購入しましょう。
なお親指ボタンには、デフォルトでコントロールボタンが割り振られていますが、ここにはダブルクリックを割り当てる(つまり親指ボタン1押しをダブルクリックと認識させる)のがお勧め。慣れると、人差し指でダブルクリックなんて、だるくてやってられなくなります。 一度お試し下さい。
難点は、まずマウスを動かす際の摩擦係数が高すぎる点、そして底面のゴムが経年劣化すると机からズレやすくなる点、が挙げられると思います。まあそれほど値の張るものではありませんので(約1500円)、お試しになるのも良いのではないでしょうか?
良いマウスパットの条件としては、マウスの動きをを正確に捉えるのは当然として、机の上にピタッと固定され、かつマウスがスムーズに移動できることが重要だと思います。そのためにはパットの摩擦係数が、机に接する面では高く、かつマウスを置く面では低くなくてはなりません。エアーパッドプロは、シリコン製のパッドの片面(マウスを置く面)にのみフッ素コーティングを施すことで、この相反する要求を解決しています。
実際に使用してみると、シリコン特有の粘着性で机の上に吸い付くように固定され、かつ極めて軽くマウスを動かすことができる点に驚かされます。またマウスがスムーズに動くのに、ボールがまったく滑ることがない点も素晴らしい。さらに素材がシリコンということで、経年劣化もほとんど無いと考えられます。
ただし、難点は値段。たかだかマウスパットのくせに、定価が2800円! シリコンを使うと、どうしても高くなるのでしょうか? まあ高いのですが、それでも、長時間マウス操作をする人には強くお勧めいたします。いいですよ。
コンパクトにまとまった、フルサイズのキーボードです。フルサイズなので、ピッチ幅は申し分ありません。ストロークは、よくあるガチャガチャうるさいタイプのキーボードに比べ、若干浅めです。使いはじめた頃は、この点が気に入りませんでしたが、慣れるとこちらの方がタイピングが楽なような気がします。
数値を入力する事が多く、また机を広く使いたいという方は、購入されても恐らく後悔することはないでしょう。他方、文書の入力が中心でテンキーをあまり使わない方には、更にコンパクトな製品も数多く出回っていますので、そちらをお勧めいたします。
結局、どんなに工夫を凝らしても、ぶっ続けで仕事をすると疲れます。お仕事は、適当に休みながらやりましょう。それと、定期的な運動も大切です。腹筋と背筋を鍛えることは、長時間のディスクワークに伴う様々な障害(腰痛・脊椎ヘルニア・猫背)を回避する上で有効です。これは、毎日15分程度のトレーニングで、十分対応できます。
また集中力の持続のため、週2日以上は水泳などの有酸素運動を行い、脂肪分解の代謝を活性化させることで、血糖値の安定を図りましょう。