以下は、1998年夏に組み上げ、2000年夏まで使用していたパソコンの構成です。「安定性」を目標に構成しただけあって大きなトラブルもなく、快適に使用していました。スペックも、特に速くはありませんが私の日常業務には十分でした。
ただ数値実験をするようになってからは、2nd Cacheのない初期Celeronではちょっと厳しくなってきました。それで速いCPUを取り寄せて、取り付けのためにマザーボードを外したところ(丁度SLOT1の上につっかえ棒が横切っていたのです)、どこかを接触させたらしく、電源からバチバチィと火花が、、。 マザーボードと接続されていた部品は、電源やFDDを含めてすべて焼損(泣)。SCSIボードとCD-Rをたまたま外していたのが、せめてもの救いでした。
ATXマシンはスイッチが切れていても、マザーボードに電気が流れているんですねぇ。いつもいじっていたのがAT電源のマシンだったので、ついうっかりしていました。マシンをいじくるときには、ちゃんと電源コードを外すか、電源本体のスイッチを切りましょうね。
Mother board A-Trend ATC-6220 ( Intel 440BX Chip set )
CPU Intel Celeron 266MHz ( 350MHzで使用 )
Main RAM DIMM 128MB
HDD Quantum Big-Foot TX ( Ultla ATA 8.3 GB )
CD-R TEAC CD-R55S ( Read 12×, Write 4× )
Video card V3000 ( RIVA 128, AGP-bus )
SCSI card Adaptec AHA-2940AU ( PCI-bus )
LAN card NE2000 compatible ( ISA-bus )
Sound card Sound Blaster Pro ( ISA-bus )
このマシンの構成で、珍しい点を1つ挙げるならば、ハードディスクにBig-Footを使用していたことでしょう。これは、当時市場で普通に流通していたハードディスクの中で唯一の5.25インチドライブであり、通常の3.5インチドライブに比べディスク周縁部の円周が長くなるため、回転数がかなり低めに設計されていました(4000rpm)。そのため、回転数の高いドライブに顕著である発熱や振動等の問題などが生じにくく、それらに起因する様々な問題(e.g.クラッシュ)が起きる確率を、大幅に減らすことができたのです。
また、一般にハードディスクには温度センサーが内蔵されていて、温度が上がりすぎた場合に自動的に停止する仕組みになっていることが多いのですが、CD−Rの焼き込み中にこの機構が作動すれば、当然Buffer Under Runが生じて焼き込みは失敗してしまいます。CD−Rを安定して焼くためには、回転数の低いドライブが適しているのです。更に5.25インチになることで、ディスク1枚あたりのデータ記録面も増えて、単位記憶容量あたりのドライブの価格も下がるという、おまけも付いていました。
「安定性」などと書きながら、CPUにクロックアップを施していますが、このマシンのマザーボード上のチップセットとDIMMはベース100Mhzまで正式に対応しており、クロックアップにより焼損する可能性のある部品はCeleronのみでした。これは、ハードディスクのクラッシュなどとは比べようもない程に低いリスクであり、動作速度の大幅な上昇という利益を考えれば、この程度のクロックアップは合理的な判断だと思います。もう少し言い訳をするならば、このマシンで使用しているCeleronは”当たり”とされる初期製造ロット(SL2QG)であり、実際にベース100Mhz(CPU 400Mhz)での安定動作が確認されていました。従って、ベース87.5Mhz(CPU 350Mhz)というのは、マージンを大きくとった控えめな動作周波数だったのです。
Big-Foot。 いまではアロマポットの台として活躍中です(笑)。
形・大きさ・質感ともに、あつらえむきでした。