劇団 :竹中直人の会
作・演出 :岩松了
出演 :竹中直人/桃井かおり/北村一輝/坂井真紀/篠原ともえ
上演会場・日時 :本多劇場(2002年12月7日)
久しぶりの本多劇場@下北沢。 井の頭線渋谷駅が立派なビルになっていたり、駒場寮が無くなってしまったりと、かっての僕のホームタウンも福岡に居た7年半の間に大きく変わってしまったけれど、この劇場は昔のままで少し安心した。
上演までの間、隣席のお婆さんと世間話で盛り上がる。 この方、満州から引き上げて来たと言っておられたので(ご無事でなによりでした)、かなりのお歳だと思うのだけれども、芝居ファンのお婆さんの影響で10才の頃から舞台を観続けているとのことだ。 今でもかなりの頻度で劇場に通われているようで、10年程前の東京の演劇シーンについて話を向けると実に詳しかった。 こういうお年寄りが普通にいるところが、東京の凄いところだと思う。 「実は最近の演劇の状況が全然分からない」と言ったら、三谷幸喜の舞台を勧められた。 三谷は未見なのだけど、この人の芝居って軒並みプラチナチケットじゃなかったけ? S席なら何とか入手できるかな? 別に金ならあるので、次の公演のチケット争奪戦には参加してみようと思う。
で、肝心のこの舞台はというと、正直つまらなかった(先のお婆さんとも意見が一致しました)。 とにかく脚本と演出が酷すぎる。 ストーリーにこれといった展開を持たせるわけでなくて登場人物間の人間関係のみで勝負、という舞台だったのだけど、そういう舞台って脚本家と演出家に相当な実力がないと成功しないんだぜ。 竹中直人は文句なしに良い役者だし、桃井かおりと北村一輝も好演、篠原ともえに坂井真紀もタレントの割には健闘していたので残念。 作・演出が別の人にならないかぎり、また観に行くことはないと思う。