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東京のSF

劇団      :NYLON100℃ (第24回公演)
作・演出    :ケラリーノ・サンドロビッチ
出演      :大倉考二、新谷真弓、安澤千草、犬山犬子、渡辺えり子、他
上演会場・日時 :シアターアプル(2002年12月21日)

この日は冬の雨の一日で、本当は部屋に籠もってディスクワークや家事をしていたかったのだけど、前売り券を買ってしまっていたので傘さして新宿まで行って来ました。 駅から遠い部屋に住んでいると、自転車に乗れない日は実に億劫だ。 会場には若干早く着いてしまったので、その近くの小汚い喫茶店で本を読みながら時間を潰していると、テーブルを1つ隔てた席で一組の怪しい男女がヒソヒソ話をしている。 聞くとも無しに聞いていると「大体月40万円強、、」「週何日以上の契約で、、」などの緊張感溢れる言葉が切れ切れ聞こえてくる。 どうやら愛人契約交渉の真っ最中のようですねぇ。 女は普通の派遣社員風。 愛人が副業だとしたら俺より高給取りじゃねえかよ、畜生。

気を取り直して劇場へ。 ケラリーノ・サンドロビッチ氏(日本人です)の舞台も初見だったのだけど、人気のある演出家だけに劇場は超満員。 通路にまで座布団を敷いて客を入れていました。 それで、話しそのものは凡庸だったのだけど、役者1人1人の個性を引き出した台本で、その役者同士のスピーディな掛け合いが楽しく、お腹一杯笑わしてもらいました。 どうやら話の内容よりも、役者の掛け合いで主に勝負しておられる方のようですね(なのでストーリーは紹介しません)。 凝った照明の使い方とか序盤に挿入されたダンスシーン等もなかなか格好良く、別の方面にも才能のある方のようなので、今後どのように成長されていくのかが楽しみです。

ただ、さすがに3時間の上演時間は長すぎ。 終盤ややウンザリしてきました。 体力と気力の有り余っている人にとってはタップリ楽しめて良いのかもしれないけれど、僕はそのどちらも普段のトレーニングと研究とで不足気味なので、個人的には2時間程度にまとめて欲しかった。 とは言うものの、久しぶりにまともな舞台を観る事ができ、十分満足しました。 僕が昔住んでいた福岡という街では、学芸会レベルの糞劇団[外部リンク]が大人気だったするんだぜぇ。 首都圏に住める幸せを噛みしめた一日でした。

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