原作 :村上春樹
演出 :サイモン・マクバーニー
出演 :吹越満、高泉淳子、堺雅人、宮本裕子、高田恵篤、立石涼子、望月康代
上演会場・日時 :世田谷パブリックシアター(2003年6月7日)
村上春樹の3つの短編「象の消滅」、「パン屋再襲撃」、「眠り」を原案とした舞台。 いずれも日常の生活で生じる小さなズレを扱った作品で、テーマ的には別役実の作品に近いと言えるかもしれないけれど、持っている世界観がまるで違うのが面白いところ。 どちらも洗練されているものの、いうなれば、別役の作品は戦後に育った日本人のメンタリティ、村上は高度消費時代に育った日本人のメンタリティを結晶化させたといった感じでしょうか?
演出は、サイモン・マクバーニーというイギリス人。 セリフは原作の小説に忠実だったものの、演出では、ふんだんに映像が使われたり、また役者をワイヤーで釣り下げてみたりと自由にやっていました。 そういうのって、しばしば演出が舞台装置に負けてしまうものなのだけど、この舞台については全く無理なく、外国人の目から見た日本の社会と都市とを独創的に表現していました。 素直に面白かったです。
この日は、お付き合いしている女性と観に行くつもりでチケットを二枚確保していたのだけど、都合が悪いとの事だったので、福岡在住時代たまに一緒に遊んだり飲みに行っていた女の子をお誘いしました。 当時学生だった彼女も今では産業医として活躍されているとの事で、何だか頼もしかったです。 出張続きの生活らしく、横浜に実家があるのに、交通の便の良い自由が丘で一人暮らしをしているとのこと。 非常に性格の良い子だし、可愛い子なのに、まだ独身なのは忙しいせいかな。 仕事なんてのは適当に手を抜かないと幸せになれないと思うぞ。 それにしても自由が丘で1人暮らしとは、横浜の外れに住んでいる僕としては羨ましいなぁ。