発表 :1992年発行 白水社
ジャンル :童話?
《ギブ・アンド・ギブ》調査事務所の調査員、ウナミナ・ホーボー氏は、行方不明になったトム・トム・オーベル氏を捜しに《眠り島》へ渡ります。そこは、5万6千人もの昏睡病患者を収容した「ねむり」の島でした。ホーボー氏は、「ハンディキャップ」として預けられたバセドー氏病のキリンと共に、島の最深部まで潜ります。そして最後には、「ねむり」の生命維持装置に供給されていた電力が切られて、島中すべての「ねむり」が死んでしまいます。
‥‥ウナミナ氏の島での食事メニューを書き出してみました。
・「温野菜として赤まだらホーレン草を添えた、イルクーツク産の桃色ナマズのフライ」(これがメインディッシュである)
・塩水に枯葉を浮かしただけのような「乾燥ドクダミ入りのコンソメ・スープ」
・固くて噛み切るのに苦労した「カルシュウム入りライ麦パン・ドイツ風」
備考 :天井からぶら下がったひものような女が、天井からぶら下がったひものようにゆらゆら揺れながら、運んでくれた。
・紅茶と黄色い酢浸けのキュウリのサンドイッチ
備考 :キトン氏がごちそうしてくれた。キトン氏とオーベル氏が話をしている間に、オーベル氏の連れていたキリンが、奥の厨房の黄色い酢漬けのキュウリを全部食べてしまった。キトン氏は口惜しがって、最後までそのことをくどくどと言い続けた。
・ゲンナー氏手作りの「猫のシチュー」
備考 :「要らなくなった猫」が入っているとゲンナー氏は言っていたが、「要らなくなった」というのがどういうことかは、説明してくれなかった。
・得体の知れないスープ
・得体の知れない肉のハンバーグ
・植物には違いないが何だかわからない生野菜のサラダ
備考 :《牛の耳ホテル》の地下食堂にて。食堂の中央には巨大なマンボウを泳がせた水槽があり、頭から左手にかけて包帯を巻いた男が、ぼんやり立ってそれを見ていた。
・干からびたくんせいの牛の肝臓
・しけったビタミン入りのクッキー
・脱脂粉乳を水で溶いた飲物
備考 :分院の地下の、昔霊安室だった部屋で、アーベン氏とその一党と共に食事。
・乾燥リンゴ
・粉末になったイリ卵
・紅茶だという黄色いお湯
備考 :分院の地下で一夜を明かした後の朝食。