作:寺山修司1993年は寺山修司没後10年ということで、彼の著作群が文庫で復刻されたり、テレビで特集が組まれたりと、大変な寺山ブームでした。まあ没後10年であったほかにも、世の中だんだん不景気になってきた頃だったので、いわゆるエロ・グロが流行りやすい下地があったのでしょう。演劇の領域でも、多くの劇団が寺山の作品を上演するなど、そのブームの例外でありませんでした。月蝕歌劇団にいたっては、この年の定期公演のうち二回までもが寺山の作品の上演という、凝りようでした。
演出:高取英
音楽:J・A・シーザー
劇場:下北沢・ザ・スズナリ
上演日時:1993年1月27日〜2月1日
‥劇場にはいると、5〜6人のマッチョなお兄さんやおじさんが上半身裸になって、舞台や客席のあちこちで変な舞踏を舞っています。「やれやれ、妙な舞台にきちまったな」などと思っていると暗転して芝居が始まりました。話の筋はよくわからかったものの、その背徳的な雰囲気がなかなか素敵な舞台でした。70年代に寺山の芝居や映画に通った若い人たちには、そんな世界が斬新だったのでしょう。まあ、何でもありの今の日本に身を置いている我々にとっては、逆に懐かしくも感じられましたが、、。
作:寺山修司‥劇場にはいると、5〜6人の美少女が、憑かれたような目をして変な舞踏を舞っています。「やれやれ、楽しそうな舞台にきちまったな」などと思っていると暗転して芝居が始まりました。「邪宗門」は寺山修司の有名な芝居(パフォーマンス?)で、役者や黒子が観客を挑発するという前代未聞の舞台に、海外公演の際には場内は騒然とし乱闘騒ぎまで起きたそうです。もっとも月蝕版の「邪宗門」は、これとは別物に仕上がっていて、実に月蝕らしい暗黒ブルセラーな舞台でした。高取英は、本人自身による脚本よりも寺山の意匠を演出した方が、良い舞台が作れると感じるのは私だけでしょうか?
演出:高取英
音楽:J・A・シーザー
劇場:文芸座・ル・ピリエ
上演日時:1993年5月26日〜31日
キャスティングでは、主役に阿部能丸を客演させたのが、なんといっても成功の大きなポイントでしょう。月蝕の男優では、この役はかなり難しかったのではないかと思います。月蝕のメンバーでは、娼館に売らてしまった少女を演じた、野口員代が非常に良かったです。私は一発でファンになってしまいました。
作・演出:高取英
音楽:J・A・シーザー
劇場:麻布美術工芸館B1ホール
上演日時:1993年9月12日〜13日
作・演出:高取英佐藤文彦(安部奈美恵の旦那のSAMを気さくにした感じのお兄さん)の怪演が光っていました。
音楽:J・A・シーザー
劇場:文芸座・ル・ピリエ
上演日時:1994年1月19日〜25日
作・演出:高取英実験室公演と銘打った小公演で、小さなパブで行われました。ちなみに劇団によっては「実験公演」と銘打った場合、本当に実験的な演出を試みる事が多いのですが(たいてい大失敗)、月蝕のそれは小公演という意味でしかありません。会場が狭かった割にはお客さんは多く、かなり鮨詰めでした。舞台は、ノスタルジックな演出と、ノスタルジックな会場との雰囲気がなかなか合って、それなりに楽しめました。キャストでは、主演の吉田香織(細身のショートカット)がよかったです。私は一発でファンになってしまいました。
音楽:J・A・シーザー
劇場:目黒ちゃばん
上演日時:1994年5月1日〜3日
作・演出:高取英昭和19年、女子挺身隊員12名が忽然と姿を消した!チ3号作戦とはいったい何か!?
音楽:J・A・シーザー
劇場:文芸座・ル・ピリエ
上演日時:1994年9月7日〜11日
作・演出:高取英
音楽:J・A・シーザー
劇場:下北沢・ザ・スズナリ
上演日時:1995年1月11日〜1月16日