テーマ:「地球システムモデルによる現代と最終間氷期のティッピングエレメント」
日時:11月4日(大会1日目)17:30〜20:00(予備時間30分を含む)
開催方式:現地会場とウェブ会議のハイブリッド (両立困難な場合は現地会場を優先)
気候システムは大気と陸域の間で強いフィードバックを持った形で成り立っており、エネルギー収支や水文過程の変動、CO2をはじめとする温室効果ガスの交換、エアロゾル排出や土地利用の変化などが、地球の気候状態に大きな影響を及ぼす。本研究会では、陸域圏に関連するプロセスの理解や将来予測についての最先端の話題について、分野横断的に勉強会を開催している。今回は、地球システムモデルによる現在と最終間氷期の数値実験に関する研究について、シェリフ多田野サム氏(琉球大学)にご講演いただく。発表タイトルと要旨は以下の通り。
発表タイトル「地球システムモデルによる現代と最終間氷期のパラメタアンサンブル実験」
地球温暖化に伴い, 北極の海氷やアマゾンの森林などが急激に変化する可能性が指摘されている. このようなティッピングエレメントの将来予測向上のため, 地球システムモデルを用いた温暖期実験が行われている. しかしモデルに内在する水温などのバイアスにより, ティッピングエレメントの臨界点の位置や、変化の大きさ、速さの予測に不確実性が生じている. 本発表では, 地球システムモデルMIROC-ES2Lを用い, 現代(piControl)と最終間氷期を対象に行ったパラメタアンサンブル実験を紹介し, 不確実なモデルパラメタが, バイアスの解消や温暖期のティッピングエレメントに与える影響を議論する.
横畠徳太(国立環境研究所)
yokohata[at]nies.go.jp