大量の食料品、それからデスクトップパソコンを担いで島に渡る。 パソコンは、液晶ディスプレイとアルミケースの軽量コンビだったものの、それでも重かった、、。 で、そろそろノート型パソコンの購入を考えなければいけないと思いました。 管理するマシンの数が増えると、データの同期やら何やら気を使わなければならないことが増えて、いろいろ面倒なんですけどね。 今日は調査の初日なので、島内を歩き回って調査個体の選定とマーキングを行った。 その途中、ヤブの中で迷子になる。トゲだらけの草や低木に絡まって全然歩けないし、周囲の見通しも全くきかず、そんな状況が30分ほど続いて「これはちょっとマズいかも」とドキドキし始めた頃、何とか脱出に成功。 とりあえず、地形図とコンパスを持っていたのは正解でした。 まあ小さな島だし、水や雨具、それに防寒具と携帯電話も携行していたので、遭難することは無いんですけどね。 で、いろいろ歩き回って分かったことは、今回の研究材料であるトベラは、主に明るい場所に自生しているので、苦労してヤブや林内に入り込むよりも、道路沿いの個体で調査をした方がはるかに効率が良いという事。 一般に道路沿いでの調査だと、人の目も気になるし悪戯されるリスクもあるので、僕はなるべく避けているのですが、この島については問題無さそうである。 なにしろ集落を一端離れてしまえば、メインロードでも車が2〜3時間に1本通るくらい、人もごく稀にハイカーが通る位の人口密度。 いくら海で隔たっているとはいえ、福岡市街地から目と鼻の場所とは信じられない。 作業を終えて家に向かって歩いていると、携帯に電話が入った。 研究室のI女史からだ。 開口一番「捨てないで下さい!」。 捨てるも捨てないも、あなたと私はそんな関係ではないでしょう、と訝しんでいると、どうも家の荷物のことを言っているらしい。 僕はこんな文章を公開しているし、それに講座でいろいろ前科も作っているので心配している様子である。 ちなみに「島の家のモノを捨てるな」と言われたのは、彼女で3人目。まあ、たしかに捨てたくなる様なモノが満載の家ではあるのだけど。 借家なんだから、もう少し奇麗に使おうぜ。 夜:スパゲティーミートソース、コンビーフ、ホットケーキ、キウイ。 |
昨晩から降り続いていた雨は、調査に出かけるまでには止んでくれた。 来て早々、雨中での調査とはならずに一安心である。 作業をしていると、携帯電話に転送メールが届いた。 僕が学振の受入のお願いの連絡をしていた先生からで、それを婉曲的に断る内容のメールだった。 ということは、急遽別の受け入れ先を探さなければならない。 内容が内容だけに、さすがに携帯メールで済ませる用件ではない。 なので、今日の調査が終わり次第、自宅へ戻ることにした。 借家へ戻って島から戻る準備をしていると、小林氏から電話が入った。 なんでも急に必要なデータができたので、今から島に渡って一泊するという。 その電話から1時間もしないうちに、小林氏到着。 気軽に渡れる島である。 それで小林氏は、先日電話をくれたI女史から渡された紙を持参していて「これに君の署名を貰うように命令された」という。 読むと、家のモノを捨てない事との誓約書だった。 わざわざ念の入ったことである。 小林氏と入れ替わりでフェリーに乗り、メインランドへ戻る。 埠頭に留めていた車は、潮でベタベタだった。 半月ほど調査をする予定なのに、一日でこうなってしまうという事は、、。 これは錆びるなぁ。 朝:大根葉の味噌汁、とろろ芋、納豆 |
早起きして朝一番のフェリーで島へ渡った。 平日なのに何故か釣り客が多い。 天気が良いからだろうか。 実際に今日は完璧な五月晴れで、湿度も低く、実に良い気分で仕事ができました。 ずっとこんな感じなら良いのですけどね。 午後になって少し時間が余ったので、島内を散策してみた。 せっかく島に来ているので、前から気になっていた積石塚古墳群なる遺跡へ行ってみる。 ここは5世紀頃に作られた遺跡で、石を積んで造った古墳が海岸沿いに220基以上もあるという。 石造の古墳というのは全国的にも珍しいらしく、重要文化財に指定されているとのこと。 で、いくつかの古墳については、構造(大きな石を直径3m程度の同心円状に並べ、その中心に石室をつくり、それらの間を小さな石で満たしてある)がハッキリと分かるものの、それ以外の大部分の塚は完全に崩れて、あるいは崩されてしまって、ただただ石が大量に散乱しているだけの場所でした。 まあ千年以上も昔の遺跡なら、そうなっちゃうでしょうね。 それに形を残している古墳にしたって、安土桃山時代あたりに海水浴に来た親子連れが「よ〜し、じゃあパパ古墳作っちゃうぞぉ」とか言って、その辺の石をテキトーに積み上げたものである可能性だってあるわけだし。 まあそんな遺跡でも、中学生時代に月刊ムーを愛読していた僕的には、なかなか楽しめました。 「青森県のストーンヘンジは宇宙との交信施設だった!!」なる記事を書いていた方がこの遺跡を見たら、一体どんな素敵なストーリを紡ぎ出してくれることだろう。 そんなことを、古墳の石室に横たわり宇宙と交信[外部リンク]しながら考えました。 家に戻ってデータシートの整理をしていると、携帯電話へ転送メールが届いた。 学振の受入について、お断りの内容だった。 ひょっとして、僕、業界で評判悪いのかなぁ? また別の受け入れ先を探すため、明日自宅へ戻ることにする。 本来、こういった事務手続きは全て終えてからフィールドへ向かうべきだったのだけど、今回の調査は急に計画して始めた事もあって、段取りが悪すぎる。 朝:スーパーのお総菜 |
野外でのデータ取りを丁度終えた時、いきなり土砂降りの雨が降り始めた。 あと20分遅く降ってくれれば家に着いていたのに、、。 一応しっかりとしたゴアッテクスの雨具を持っていたので、体が濡れることはなかったのだけど、靴に水が浸みまくって歩くたびにチャポチャポ音がする。 不快の極み。 この靴も一応ゴアッテクスの完全防水仕様なのだけど、既に寿命のようで、もはやその面影すら無い。 ちなみにこの靴、使い始めてから半月目当たりから左足から水が浸みるようになり、3ヶ月目くらいから右足からも浸み始めたので、寿命云々といった問題以前に、いい加減な製品でもあったのでしょう。 よって、買い換えの際には、LL Bean社謹製の靴は最初から選択肢より外すことにする。 それにしても以前はこんなにダダ漏れすることは無かったのだけど、と借家に戻ってから調べてみると、両足ともソールが剥がれかけていて大きな隙間が空いていた。 中の発泡ウレタンが経年劣化により加水分解して、ソールとの接着部が剥がれだしているようだ。 そういえば、もう2年も野外での作業を休んでいるんだものなぁ。 いちおう僕も生態学者の端くれのつもりなので、これを機会に少し反省することにする。 晩ご飯用のおにぎりを握って自宅へ帰り、メール発送をする。 やはりネットに繋がったモバイルは必要ですね。 次の職が決まったら、早速導入を検討することにしよう。 朝:ナスの味噌汁、納豆、おろしダイコンのジャコ混ぜ |
また雨の中での作業。 せっかく新聞紙で乾かしておいた靴も直ぐにビショビショになってしまった。 一応、接着剤で応急修理をしておいたものの、殆ど意味は無いようだった。 足が濡れているだけで、とにかく不快だし、体力が倍以上の速度で減少していくような気がする。 こんな靴直ぐにでも買い換えたいのだけど、それには福岡の中心街に出なくてはならない。 いったん野外調査に入って継続のデータを取り始めると、そうそう町で買い物もできなくなるので、調査に用いる装備は事前にチェックしておくべきだった。 本降りになってきたので、一端作業を切り上げ、家にて昼食を取る。 昨日の予報では今日は一日曇りのはずだったのだけど、ここのところ連続して外れている。 午後、雨脚が弱まったので、また出かけて(濡れた靴下と靴を改めて履くのって嫌ですねぇ)残りの作業を一気に片づけた。 夕方、集落の一番端にあるゴミ焼却場までゴミを出しに行く途中で、魚屋を発見。 埠頭の目の前にあるのに、これまで全然気がつかなかった。 店の外から伺ってみると、生け簀の中に今日揚がったばかりの魚や貝が入っているようである。 せっかくなので、冷蔵庫に残っているタンパク源を全て食べきったら、何か購入してみようと思う。 こういった小さなコミュニティーに入り込んで長期間の仕事をする為には、地元に小銭を落とすことが結構大切ではないかと思う。 朝:パン、ヨーグルト |