今日は、プノンペンまで移動。 シェムリアップからプノンペンまでは、車の通れる道路はあるものの、かなりの悪路のうえに治安面でも問題があるとのことで、外国人は空路かトレンサップ湖・川を下る高速ボートを用いるのが一般的である。 高速ボートの場合だと料金が25$と安いし、乗船時間も5時間程度と我慢できる範囲なので、水路を利用することにした。 それで、ちゃんと5時間程度で着きはしたものの、座席が狭い事に加えて、それなりに揺れるので、あまり快適な移動ではなかったですね。 景色も殆ど変化がなく、寝ることくらいしか時間の潰しようがなかったし。 ただトレンサップ湖・川が、殆ど汚染されていないことが分かりました。 カンボジアでは内戦の影響から、まともな工業が発展していないのが原因でしょうね。 今後どうなってしまうのかが、気になるところです。 プノンペンではチャイウーホテルにチェックイン。 去年泊まったソリアホテルもなかなか良かったのだけど、部屋から出るときに部屋の電源が全部落ちるシステムになっていて冷蔵庫までもが止まってしまうので、今回は常時稼働の冷蔵庫のあるホテルを選びました。 ここもソリア同様に華僑経営のホテルで、奥の方に、なんだか怪しいマッサージ室がある点も同じ。 シャワーを浴びて外に出ると、桟橋からホテルまで使ったバイタクが待ち伏せしてやがった。 こいつは、移動中に市内観光のオファーを何度も何度もしてきた奴で、こちらも何度も何度も何度も断っているのにしつこい奴である。 カンボジアでは、値段交渉をサボって相場以上のお金を払うと必ずこういう目に遭うので、キチンと値切り倒しておくべきでした。 無視して歩くと、どこまでもバイクで追跡して話しかけてくる。 僕は、学生運動をしていた時にできたトラウマの関係で、待ち伏せされるのも尾行されるのも大嫌いだ。 というわけで、公衆の面前で怒鳴りつけて追い払ってやった。 これは今回の旅行で2回目。 人様の国であまり偉そうに振る舞うのもどうかと思うのだけど、日本人は少しなめられているので、これ位した方がいいと思う。 高級日本食レストラン「銀河」で遅い昼食を取ったのち、高級スーパーマーケット「ラッキーマート」にて食料品の買い出し。 プノンペンには3泊ほどするつもりだったので、外食による感染症のリスクを減らすため、サンドイッチ(カンボジアはフランスの植民地だった関係でパンが美味しい)の材料を買いそろえようというわけです。 ちなみにプノンペンには、この「ラッキーマート」を始め、華僑経営のスーパーマーケットが幾つかあって、意外と物資は入手しやすいです。 値段さえ気にしなければ、豆腐でも柴漬けでも購入可能。 どこのスーパーマーケットも店内は清潔で棚には商品が整然と並び、ここで買い物をしていると思わず西側先進国にいるかのような錯覚をしてしまいそう。 店内にいる人達の構成としては、1/3が外国人客、1/3がカンボジア人客、残りの1/3が万引き監視員という黄金比だ。 そして、買い物に来ているカンボジア人は、外を歩いている人達よりも明らかに服が奇麗でハイソな雰囲気。 夕方、バイタクで郊外まで遊びに行く。 それにしても、相変わらず排ガスと埃のひどいクソみたいな街である。 バイクに乗っていると目が痛くてたまらないし、排ガスの大部分は大型ディーゼル車(しかも骨董品レベル)から出ているので、きっと環境ホルモンもたっぷり含まれていることだろう。 このほかにもバイクでの移動のデメリットとしては、交通事故(わりと頻繁に起こる)に巻き込まれた場合の危険性もあるし、夜間の移動だと、銃器で武装した強盗に停車させられて金品を持って行かれるトラブル(非常に頻繁に起こる、こんなの事件ですらない)に遭遇する危険性もある。 さらに今回は、移動の途中に突然雨が降って、服は濡れるは靴はドロドロになるはで、散々な目に会いました。 ある程度長い距離の移動だったらタクシーを利用したいのだけど、プノンペンではまだ流しのタクシーというのが存在しないのです 情報:1日貸し切り制のタクシーは存在します。 30$/日前後が相場。 夜間、特に夜10時以降にプノンペン市内を動き回る方は、必ずタクシーを雇うべきでしょう。 まあ強盗も、金品さえ素直に渡せば(そしてあなたが若い女性とかでなければ)、それ以上無茶なことはしないようですが、、。 |
自分で用意した朝食を食べた後、インターネットカフェで日記を執筆。 インターネットカフェは、去年の3月にプノンペンに来た際には街中に1件だけしか見つける事が出来ず、しかも料金が8$/時間とべらぼうに高かったのだけど、わずかな期間で状況が大きく改善されていてビックリ。 数もかなり増えていたし、料金も2$/時間前後まで安くなっていた。 日誌を書いてから、ラッキーマーケット隣のラッキーバーガーにて昼食。 そのままノートを広げて、研究のお仕事。 数理モデルの仕事は、どこでも出来て便利ですね。 今日の計算で、「花数と花サイズのトレードオフを仮定した場合、花寿命は送受粉効率に関わらず花の維持コストのみによって決定される」という重要な発見をしました。 なんでプノンペンまで来てこんなことをしているのかというと、ここには昼間に楽しめる娯楽というものが殆どないから。 それに海外で仕事すると、気分が変わって妙にはかどったりするのです。 Sato & Yahara (1999)の一部も、バンコクパッポン通り入口にあるマクドナルドで計算したんですよ。 あとこの日は、ロシアンマーケットで買い物をして、按摩を受けて、そして夕方に郊外に遊びに行きました。 去年ここには1週間滞在していたのですが、その時と殆ど同じパターン。 まあこんなもんでしょう。 |
またまた朝からインターネットカフェで日記を執筆。 そのあと冷房の効いたハンバーガーショップでお仕事。 プノンペンの市内観光(たいしたものはない)は去年一通りすましてしまったし、昼は本当に何もすることがないんですよ。 なにしろ、首都とはいっても狭くて暑くて不潔で貧乏臭いだけの街ですからね。 大体、ここは1975年からしばらく無人になっていて[外部リンク ]、しかも元の住人があらかた殺されてしまった関係で、街に深みを与える歴史みたいなものが全然ないのです。 えっ東洋のパリ? ナニソレ。 というわけで夜だ。 今日はプノンペンのラストナイトなので、郊外なんかでチマチマ遊ばずに、モニポン通りのカラオケ屋で豪遊することにする。 テーブルに酒瓶を並べて、ベトナム人の奇麗なお姉さんを2〜3人侍らせて、そのお姉さんの頬を札束(1$札だけど)で叩きながら軍歌を熱唱!! 、、、という計画だったのだけど、僕は強がっているだけで本当は小心者なので、結局また郊外に遊びに行きました。 おやすみなさい。 |
今日は早起きして、カンボジアの港町コンポンソム行きのバスへ乗る。 アメリカの援助でつくられた国道4号線は、カンボジアとは思えないほど立派な道路(片道1車線だけど)で、また景色も山・草原・海と変化して楽しく、悪くない移動でした。 コンポンソムでは少しくつろぎたかったので、割と高級なリゾートホテルにチェックイン。 水着に着替えて、ホテル前のソッカービーチまで歩いて1分。 1000リエル(約30円)払って屋根付きの椅子を借り、寝そべる。 コンポンソムのビーチは、港がある側はゴミとかが浮かんでいて良くないそうだが、港の反対側に位置するこのソッカービーチは、砂浜も海の水も美しく、絵に描いたような南国の海。 やった! ビーチリゾートだ! しか〜し、ここは菓子売りや果物売りの子供達からの攻撃が凄いのである。 昼食を食べていなかったので、何人かの子供達から菓子や果物を買うと、「あのお兄さんはお菓子を買ってくれる!」という情報が瞬時に広まったようで、ビーチ中からお菓子売りの子供達が集まってきてしまった。 そんなにお菓子ばかり食べられないので断ると、「僕はおなかが空いてるんだ。お願い、買ってよ」などと次々と懇願される始末。 まあ金がないのは本当だろうけど、顔の血色を見る限りでは栄養は足りてそうだけどね。 というわけで「君達のおなかは空いてるかもしれないけど、私のおなかは一杯なのだよ、フフン」などとサングラスをかけたまま答え、適当にあしらう。 でも買わないと、去り際に「シット!」などと言われたりすることもあるので(マジで追いかけていって殴ろうと思ったのだけど大人げないのでやめた)、リゾート気分も台無しだ。 ところで物売りには子供達だけでなく、オバサン達も天秤棒に焼きイカなどをのせて売りに来る。 その中にゆで卵を売っているオバサンがいた。 そういえば、ここしばらくタンパク質を補給してなかったなぁ。 というわけで一つ買ってみる。 するとオバサンは、プラスチックの皿に香菜を盛り、別の小皿に塩胡椒とスダチの汁を混ぜたタレを作り始めた。 ゆで卵にしては、なんだか大げさなんですけど。。。 嫌な予感的中。 殻を割って出てきたのは、可愛らしいアヒルの後期胚。 そのつぶらな黒い瞳と目が合いそうになる。 「こっ、これを食うの!?」。 小さな鳥を丸ごと食べるという点ではスズメ焼きなんかと同じかもしれないけれど、スズメ焼きと違ってこれは素材の原型が完全に保たれていて、羽の模様までもリアルに分かるし、しかも腹のあたりに卵黄が接続されていたりしてグロテスクきわまりない。 いつのまにか集まってきた物売りの子供達が「ほら、殻の中にタレを入れて中の汁をすするんだ!」などと、サディステックな表情を浮かべながら、食べ方を身振り手振りでレクチャーしてくれる。 お菓子ではなく卵を買ったことへの復讐をされているのだろうか。 わかったよ! 食うよ! で、まずは卵黄の部分を食べてみる。 普通のゆで卵の黄身よりもパサパサした食感で、味も薄い。 まあ養分を胚に吸収された後なのだから当然だろう。 次にスプーンでアヒルの首を切断して、タレをつけて口に放り込む。 嘴やら眼球やら羽毛があるので、ゴソゴソした食べ心地。 というわけで、はっきり言って普通のゆで卵の方が美味しいと思うのだけど。。。 なんでわざわざ、こんな風にして食べるのかな。 目を白黒させながら食べていると、この騒ぎを少し離れた椅子で寝そべりながら見ていた黒人のオバサンが、それは何だと話しかけてきた。 それで「アヒルの胚(An embryo of duck)です。かなり発生が進行してますので、孵化1週間前から10日前といったところでしょう(Because it's almost matured, I estimate a week or ten days before hatching)」と答えると、何故か大喜びをして、僕が食べている姿を何枚も写真に撮り始めた。 みっ、見せ物ですか。 口直しのため、夕食はホテルの横にあった「Sea Dragon」という旅行者向けの高級シーフードレストランでとることにする。 なんとメニューに「Sashimi」があったので注文。 チューブ入りのワサビとキッコーマンと共に出てきたのは、大きなお皿にてんこ盛りの白身魚。 魚の種類も1種類だけで、付け合わせも何もなく、わかりやすく言うとフグ刺状態。 確かに刺身には違いないけれど、もう少し何か工夫しようぜ。 まあでも、これは旨かったです。 (ご注意:高級店以外では、カンボジアで生ものを食べてはいけません。ていうか、イキがって庶民派の食堂とか屋台なんかでモノを食べない方がいいですよ。いくら加熱した料理でも、皿とか箸はかなりいい加減に洗ってますからね。我々は無菌社会日本から来た虚弱な旅行者であることをお忘れなく)。 |
今日は朝から夕方近くまでビーチで遊ぶ。 腕時計はもちろんホテルにおいておく。 ビーチにはビーチの時間が流れているのだ。 昨日の場所では物売り攻撃が激しすぎて、おちおち昼寝もできない事が判明したので、今日は砂浜をテクテク6、700m歩いてビーチの外れの岩礁地帯の椅子を陣取った。 ここなら一番近い椅子から300mは離れているので物売りもまず来ないだろうし、それに椅子の前に丁度よい高さのテーブルがあって仕事をするにもよさそうだ。 前の海は岩礁なので注意して泳がなくてはならないのだけど、素潜りをするつもりだったので、むしろそのほうが都合よい。 早速、わざわざ日本から持参したマスクとシュノーケルを着けて2〜3m潜ってみると、透明度はいまいちであるものの、大小さまざまな魚や珊瑚にイソギンチャクと、いくら潜っていても飽きることのない光景が広がっていた。 というわけで、この日はまったく邪魔も入らず、素潜りをしたり、コーラを飲んだり、波の音を聞きながら昼寝をしたり、微分方程式を解いたりしながら、幸せな時間を過ごすことができました。 せめて年に1週間くらいは、このような時間を過ごしたいものですね。 |